●開発者は語る

自分は仮面ライダー世代だった。最初の仮面ライダーとTVで出会ったとき、小学生の自分は戦慄した。彼は人間と同じ大きさで、バイクにまたがり、悪役は真っ黒で覆面レスラーみたいで「イーッ」と奇妙に叫ぶ。戦い方もウルトラマンがプロレスなら、こっちは総合格闘技に見えた。決め技はウルトラマンのような光線ではなく、キックやパンチだ。

原作のマンガも読んだ。自分にとって少年マガジンは大人っぽい本だった。小遣いは多分50円くらいだったけど、町の歯医者に行くときはお金を大目にくれたので、バスを使わずお金を浮かしてマガジンを買った。原作のライダーは、自分が改造人間であることに悩み苦しんだ。初代ライダーは、森の中でショッカーに囲まれ、変身を阻止され惨殺された。そして、その脳だけが生きて、新しいライダーと交信する。どこか暗い、普通のヒーローものとは違う話しだった(と記憶している)。

TVの明るいライダーも好きだった。怪人のビニール人形も沢山もっていた。自分は、ちょうど、子供と大人の間だった。ハレンチ学園の美少女、十兵衛にしっかり欲情もしながら、仮面ライダーにも恍惚となり、自分で手作りの仮面ライダーマスクを作って山を駆け回っていた。その後、デビルマン(原作のほう!)の衝撃に根こそぎイカレルまでが、私の子供時代だったといってもいい。

5歳でウルトラマン、10歳で仮面ライダー、11歳でデビルマン。そして私はダサくてロックが大好きな中学生になって、いつの間にか40代になった。

TVの仮面ライダーディケイドで、私たちの商品であるblackbird,flyが使われている、と知人がメールで教えてくれた。半信半疑でTVを見た。ピンクにカスタマイズされたblackbird,flyが出ている出ている。たくさん出ている。主人公がいっつもぶらさげているのだ。私はこうして、仮面ライダーともう一度、出会った。おかしな出会い方ではあったけど、素直にうれしかった。憧れのレスラーと一緒に写真を撮ったような気分だった。

しばらくして東映さんからお話をいただいた。そして、このディケイドモデルが限定発売されることになった。私が仮面ライダーに出会ってから38年がたっていた。