デジタルハリネズミ、復活!なんていう、タイトルを掲げられる日がやってくるとは、期待していたけど、本当は可能性が低いんだろうなあ、と、どっかで思っていました。でも、暗い路地の裏には明るい日向があり、雨の後には虹が出るように、やっぱり突然、雲の下に晴れ間は見えるんですね!デジタルハリネズミ、復活です!

日本に大きな地震がやってきて、一週間ほどしてデジタルハリネズミ生産終了のアナウンスをすることになりました。何だか何もかも終わっていくなあ、と思ったし、地震は僕らの気持ちの中に、暗い何かをズ〜ンと深いところに落としました。ガラガラと崩れ、流されたのは建物だけじゃなかった。

写真を愉快に撮るという気持ち自体が、どこか破壊されてしまったように思えました。人々は果たして前のように写真を撮れるんだろうか?この目の前の風景を信頼して写真が撮れるのだろうか、そもそもこの目の前の光景はすでに崩れてしまっているんじゃないか?風景なんて嘘なんじゃないの?そんなことがたくさん浮かんでは消えました。

ひとまず、僕らは休むのをやめて、ずっと働いてみたり、やりたいことについて考えたり、目先のことだけ考えたりしてきました。文学でも、音楽でも、古典こそが人々が求めているような気がしたし、古典とは正反対の自分たちなんかは、いったいどうしたものか、と思ったり、なんだか生きてる人より死んだ人の言葉や仕事が日々説得力を増してくるような感じで、僕らの役割は地震とともに流れ去ったような気にもなりました。

DHシリーズは液晶モニターの製造中止により生産終了となりました。でも、僕らはその後も、世界中から少しづつ液晶モニターを集め続けました。そしてそれが一定の数に達したので、今回の新モデル登場となったわけです。最後の最後にもう一台届けたかったのです。ボディにFinal 2011とプリントされているのは、墓碑銘のように「デジタルハリネズミ 2011年にここに眠る」という意味を込めたのです。さようなら、デジタルハリネズミ。最後のお見送りをするような気持ちでリリースしたいと思いました。、、、、ところが!ここでもまた天候が急変しました。なんと、1.5インチの液晶モニターが別メーカーから再生産されるという噂が飛び込んできたのです。なんでそんなことになったのかはわかりません。本当なのかもわかりません。とにかく僕らはそれを使ってみたいと思いました。ちょっと雲が動いた気がしました。

現在、自分たちは新モニターでDHシリーズが作れるのか、本格的にテストにかかるところです。今回発売になったデジタルハリネズミは、本当はDigital Harinezumi Finalになる予定だったのです。けれど、棺桶に入れられて釘を刺される直前に液晶モニター再生産の話が飛んできて、急遽、棺桶から引っ張りだされてDigital Harinezumi guruっていう名前を付けられました。なんだか波瀾万丈だなあ。でも、この死にかけた子が、かわいくて仕方がありません。よくやってきたなあ、君。名前のとおり、どっかの怪しいグルのように、この世の中じゃ見えない物を皆にみせてあげてよ。写真の迷宮に皆を誘い込んで、ぐるぐる目眩を楽しんでよ。

皆さんにもこの数奇な運命の子を気に入ってもらえたら嬉しいです。

DHが復活して、ひょっとしたら今後もDHシリーズを続けられる期待もでてきて、僕らの心には少し晴れ間が差してきました。

もちろん、地震が落とした暗い物は全然どうにもなっていません。果たして人々は、3月11日以前のような気持ちで、風景に向かい、写真に向かい、シャッターを切ることができるのか?そもそも、写真はどう変わってしまったのか?それは、まだまだわかりません。ただ、確かなのは、僕らは無力ですが、「写真の気持ち」にこれからも関わっていきたいと思っています。

どうぞよろしく。

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スタッフのおすすめ写真   2011_1107




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