Last Cameraというムチャ。
何か最近、世の中が、つまり世界が、面白いなあ、って思うことが少なくなった。それは地震以降の見えない敵のせいで、変わってしまった気持ちっていうことの問題だと思うけど、それが思ったより長く、ずっと消えそうにないから、この気持はこれからどうなっちゃうんだろうと、嫌だなあ、と、思い続けていました。

前と同じように、仕事もしなきゃあいけない。前と同じように、歌も歌ったり、前と同じように怒ったり、本を読んだり、映画を観たりしなきゃあいけない。けど、そんなことじゃないんだよなあ、と心は知ってしまっているんだけど、じゃあ何?って聞いてしまったら、もう何もやる気がしなくなりそうで、言葉にせずに、避けて、逃げて、隠れてきたわけです。

僕らはあまりに理不尽な状況に生きている。そんなの前から知ってる。賢い奴やかわいこちゃんや金持ちだけは、この理不尽に巻き込まれないでいられるのだと思っていたけど、より大きな力はどこにでもあり、そーじゃなかった。人間は誰もが、マイクタイソンに道でバッタリ会わないということを信じて、粋がっているチンピラのような存在だ。僕らはいつか、なぜこのタイミングなの!って時にタイソンに出会ってしまって、半殺しにされ、また、より大きな力に出会っては、流されてしまうのだ。

気持ちは、暗い。この暗さだけが、確からしいものだ。僕らが信じられるのは、この暗さだ。この暗さは、単なる災害がもたらした局地的状況の副産物だとは、どうしても思えないのだ。世界というケーキのクリームが全部剥がれ落ちたように、劇場の照明が一斉に100%になったように、それまでの世界はもう消えてしまったように思える。これって、何なんだろう。

なんだか、マイノリティの発言みたく、少数意見こそが正しいというような感じになってなかったらいいなあ、と思いつつ、暗い時代に、暗さを内包した、決して暗くないカメラ、Last Cameraをリリースします。あなたが、何かを思い出して、暇つぶしになれば嬉しいです。

大森秀樹(PowerShovel,Ltd. / SuperHeadz.Tokyo)

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