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lomoheadsはどうやって生まれたのか?

まず、かなり個人的な話題になる。今まで面倒でこの辺については書いてこなかった。だが、日々記憶は曖昧になるので、書いておこうと思った。

1995年LomoLC-Aに出会った。

LC-Aとの出会いについては、いろいろな場面で聞かれてきた。 1995年、実はカメラではなく、写真集がきっかけでLC-Aに出会った。僕は写真を撮るのじゃなく、見るのが好きだった。音楽は聴くのもやるのも好きだったが、写真は見る側だった。他人のアルバムを見るのまで大好きで、人の家に行くと飽きずに見ていた(その意味では数万枚の他人の写真を見る現在の仕事は天職かもしれない)。

ウイーンのLomoは当時すでにロシアのlomo社製のコンパクトカメラlomoLC-Aをオ リジナルパッケージとして販売していたが、そこに付属されていた写真集が単体 で海外の書店ルートに流れていた。私はカメラとしてのLomoに出会う前に本屋で写真集としてLomoに出会った。現在は別の写真集が付属されているが、この最初の写真集は今見てもわくわくす るような最高の出来だった。ドイツ語のテキストだったので、何の本かわからず、本の大きさの割りに結構な値段がしたが、どうも気になって購入した。その本を何度も見るうち、ファクス番号が書かれていることを発見し た。返信のファクスを見て、この写真集は1台のカメラで撮られたものだとわかっ た。しかも彼らはそのカメラを販売しているという。僕は即カメラを注文した。 こうして僕はLomoLC-Aに出会った。

ウイーンから届いた小包を開けてショックを受けた。これは「商品」なんかではなく、「精神=スピリッツ」 じゃないか!そう感じた。自分は今まで何をやってきたんだ!何故かそうも感じた。 自分だったらこんなことをやるだろうか? 得体の知れないロシアカメラを、 まったくカメラマニアとは違う層に向けて届けようとしている。 この楽観はナンだ?この希望に満ちた「商品」はナンだ?

当時、すでに、写真ブームといわれており、写真を取巻く環境は大きく変化して いた。しかし、カメラメーカーが作り出すカメラは、シーンの変化は全く見えな いかのように旧態前としていた。ツルツルでよく写るカメラに、欲しいと思える ものはなにひとつなかった。どれも皆、自分の道具とは思えなかった。 そこにLC-Aがやってきた。遠いロシアのカメラが遠いヨーロッパの国を経由して 私のところにたどりついた。自分が得体の知れない「商品」としてLomoLC-Aに出会えたということは、幸運だった。

当時のロモパックはカメラ本体、修理用のドライバー(これは後に同梱されなく なった)に、オリジナルパッケージのフィルム(当時はAGFAのもので、ウイーン Lomoデザインのパッケージにはsupported by AGFAのクレジットがあった。ちな みにこの頃のフィルムパッケージデザインは種類も豊富で凄くよかった。)そし て写真集(先に手に入れた単体の写真集と違ってパックのものはソフトカバー・ バージョンだった)がセットになっていた。 初期不良も多く、日本製のカメラのような近代的機能もないこの旧式なカメラを 世界的にデリバリーする。しかも、採算は合うのか、というほど、凝ったパッケー ジングに、とても付録とは思えない写真集が付いていた。 更に、当時のウイーンLomo(Lomographic Society)は、本気でLomoによる仮想 の国家を、かつてのヒッピーカルチャーのように夢見ていた、と思わせるような 雰囲気があった。当時の彼らが撮る写真もよかった。Webも、どこか力の抜けた デザインもホントーによかった。

当時のLomoは、デザインがいいせいでデザインの力が全てだったという見方 もある。これには反対だ。当時のウイーンLomoが持つ、ヒッピーカルチャー的で、 かなり楽観的な世界観が、LC-Aというカメラを特別な何かにしていた(もちろん、 天才デザイナー・ベンハードの力は大きい。) よくLomo(というかウイーンLomo)に関する悪口で、 ロシアで売られている安いカメラに、余計なおまけをくっつけて、 「おしゃれな」アーケティングで売りだし、暴利をむさぼっているのはけしから ん、というのがある。 自分は、ウイーンLomoの肩を持つわけではないが、これは一面からだけの、必要 以上にものをおとしめようとしている評価だ。彼らの言う「余計なおまけ」が如何に「勇気ある決断」だったか、そしてこの「余計なおまけ」のお陰で、その後、 どんなに楽しいことがおこったか。この「余計なおまけ」に付随した何かは、旧来のカメラ流通の仕方、マーケティング、のみならず、写真というものの質まで少なからず変えてしまった。

とにかくLomoLC-Aとは、そんなふうにして出会った。今でもこの頃のことを思い出すと楽しくなる。


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HotWired--TokyoLomoHeadsインタビュー



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