かなしい、お知らせをする日がやってきました。
デジタルハリネズミの主要部品の製造終了に伴い、デジタルハリネズミシリーズの生産終了が決定しました。

デジタルハリネズミの主要部品である4:3の1.5インチの液晶モニターの製造終了が突如アナウンスされました。他社の1.5インチ液晶モニターは数種現在でも入手できますが、サイズが大きく、それを使用すると、現在のボディには組み込めず、現状より大きなボディを作るしかありません。しかし、このカメラにとって、現状のサイズは最も重要な要件であり、これを変更することは、基本的に最初から全部を考え直すことに他なりません。それにはまだまだ時間がかかります。ドラえもんが急にジャイアンよりでっかくなってイイワケがないのと同じです。そんなドラえもんが登場してくるには、やっぱり時間が必要だし、ゼロから考え直さなければいけません。
結果、我々が確保できる液晶モニターの部材の終了をもって、デジタルハリネズミシリーズは生産終了となることが決定しました。(悲しい、実に、悲しい)

デジタルハリネズミは2年間の構想期間を経て、2009年3月にやっと初代デジタルハリネズミを発表。その後デジタルハリネズミ2、デジタルハリネズミ2++、デジタルハリネズミ2+++と進化を続けてきました。実はデジタルハリネズミ3も具体的になりつつあり、さあ、これからというタイミングでしたが、次のステージを前に生産終了となります。

デジタルハリネズミは、よく頑張ったカメラだ、と思います。スペックからしたら大手の製品と比べれば、決して安いカメラではなかったかもしれませんが、支持を得られたことには、「愉快は金では買えないぞ」というメッセージを伝えることができたからです。

デジタルハリネズミは、実はいろんなことを変えたカメラでした。(最後にほめてもいいですか?)。

まず、デジタルカメラにもアナログ的「味」があることを証明しました。僕らはデジタル画像にノスタルジーが宿るなんて思ってもいなかったけど、それが大間違いだと思い知らされました。

デジタルカメラではおまけ的機能だった(あまり皆、使ってなかった!)ムービー機能にスポットをあてました。特に海外ではデジタルハリネズミったらムービーっていうくらいな認識になりました。ムービーにスポットをあてたことで、表現ツールとしての幅が広がり、「ハリネズミの森」のような世界規模で展開するビデオインスタレーションを生むことにもなりました。これはカメラという商品を売る側が、自ら表現の領域に踏み込んだものとして画期的だったと自負してます。

アナログの頃から訴えてきた「カメラはスペックではない。」という考えを、デジタルの世界でも訴えました。このカメラは高機能携帯カメラ世代のユーザーがはじめて手にする低スペックカメラとなったのです。このことは商売の常識を逆行することであり、特にデジタルツールではかつてなかった思考転換でした。ユーザーは必ずしも「便利」を求めていたわけではなく、上がり続けるスペックや機能を求めているわけでもなかった、ということを証明したのです。

デジタルハリネズミは、単純に「撮ること」の楽しさを再認識させました。沢山の機能やどんな時でも良好に撮影できる万能さではなく、小さな画面に世界を捕獲するような感覚で撮ることの「単純で」「いたずらっぽい」楽しさ。それが僕らが欲しかったものだった!それをダイレクトにまっすぐにこのカメラは教えてくれた。そこが、このカメラが「表現系デジタルカメラ」と言われる所以であるし、それこそが、愛される理由だった。

我々のようなインディペンデントな会社が、完全にオリジナルなデジタルカメラを作れるなんて夢にも思いませんでした。当時、ビジネスモデルがあったわけでも、シーンが活性化していたわけでもなかったし、売れるか売れないか全く読めないバクチのような感じで製品化が実現できたのは本当に奇跡だった。様々な人との出会いがこのカメラを作らせてくれました。これが実現したことは、少なからずとも、デジタルカメラシーンに何らかの問題提起をし、インディペンデント魂を表明できたと思っています。そして、「金儲け」以外に、我々が込めたメッセージが正確に受信された結果だ!と信じています。

デジタルハリネズミは、実に多くの人に愛されたカメラでした。世界中のアーチストたちが撮り、私たちが楽しみ、そして何より、なにか面白いものはないか?と探している人々が、たくさんの写真やムービーを撮ってくれました。実はカメラには撮られないカメラと、撮られるカメラがあります。機能満載でりっぱなカメラか、チープで手軽なトイカメラか、そんなことに関係なく、撮られないカメラというのが存在するのです。デジタルハリネズミは、とっても「撮りたくなる」カメラでした。このカメラが、皆さんに使われるカメラであったことが、デジタルハリネズミにとっての、一番の幸せでしょう。そうじゃないカメラなんて腐るほどあるのです。

トイカメラでくくられるカメラなんて、しょせんお手軽で、ちょっとカワイクて、ガーリーで、よわよわで、ゆるゆるで、なんて思われているかもですが、このカメラは「はりねずみ」のようなトゲもしっかりあるカメラでした。だって、私たちが作ったんですもの。そりゃあ、そうなります。(最後にゴーマンかましてすみません)

デジタルハリネズミは、液晶モニターの在庫がなくなるまで、製造を続けます。まだ、しばらくは手に入りますが、かなり早い時期に最終ロットの製造は終了し、世界中の店頭から消える日がくるでしょう。その日まで、どうか変らず楽しんでやってください。

きっといつか、デジタルハリネズミ復活の日が来ること祈って。皆さん、これまでのご支援、本当にありがとうございました。デジタルハリネズミはサイコーに楽しいカメラです!

PowerShovel,Ltd / SuperHeadz.Tokyo




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